Am7♭5

うたかたの日々

ういんどうずびすた

 実はさかのぼる事10日ほど前、風の強い2月のシブヤシティーの某所、いつもと変わらない午後、ブラインドの隙間から冬の太陽が光を机に運ぶ窓際の席、珈琲カップしかない無味乾燥としたデスクの上で、突然相棒が青い顔をして「俺とお前には色々あった、長い付き合いだし、4年か?お前にコーラ大量に飲まされた時、あの時は正直ビビったぜ。でも昔の話だな、俺は疲れたんだ、そしてもうお前と過ごす時間がなくなった。少し眠らせてくれないか。」と穏やかな笑みを含ませ、それだけだけ言い残し、意図も簡単に俺とのコミュニケーションを断絶し長い眠りについた。それは恐ろしくあっけない幕切れであった。俺は自称コンピューター・カウボーイでピーシ・・・そうそう言い遅れたが奴のコードネームだ、本名?俺らの仕事では本名なんてなんの役にも立たないのさ、そう名前なんてな。すまない話がそれた。とにかく俺にとってはピーシ、奴がいないからと言って直接生命を維持できないわけではない。が、電脳都市ミタカ・シテイーに住み七つ星を愛喫し、シブヤシティやらカンダスルガダイシティーにジャックインしなくてはジャパン通貨エンが稼げない身の上としては、やはり奴の力が必要である。レストア?もういいじゃないか、奴も奴で眠りたいんだろ。静かにしてあげよう。

 長い時間が過ぎた、どれくらい経っただろう、窓の外は薄暗くなってきた、推測すると5時間か?そこら経っている。シブヤシティーの街は夜の顔を少しづつ開花させている、ふと我に返る。ここにいては危険だ。翌日に迫る、ドキュメントが作れない。俺は冷めた珈琲を飲んだ、そして七つ星を一本喫んで大きく息をのみ、それからイノガシラに乗るため足早にシブヤシティーを歩いた。イノガシラのホームでは嬉しそうにはしゃぐ子供たちが、帰宅の途中であった。俺は、一番線についたイノガシラにのり込み、その窓から見える遠い所に視点を合わせ、ムサシノシティーへと向かった。目的は淀橋(家電系メガストア)にいると言われる新しい相棒との契約だ。

 ムサシノについたとき、外は完全に闇におおわれていた。北口を出ると淀橋はその権力を誇示するかのごとく周りの闇に光を放っていた、この世界において光の量と権力は比例するらしい。まあいい、長居は無用だ、新相棒も遅れて到着する俺にしびれを切らしているかもしれない。でもまあ、そんなに怒るなよ、時間なんてあって無いようなものじゃないか、俺らにとっては。俺とお前は大量のエンを払って契約を交すだけだしな、そして、ダンスして、またモニターに漂う海をさまようだけじゃないか。

 俺は足早にその不夜城のごとき光の元へ向う、髪の美しい女とすれ違う、ほっとする。そして思う、冬の風は冷たくなくてはならない、夜の闇を汚してはならない。それは掟なのだと。

この話はフィクションであり、登場する人物、状況等はすべて架空のものです。ニューロマンサー/ウイリアム・ギブスンには申し訳ないくらい、ぺらぺらな引用です。なんのこっちゃ。

事実は
パソコン壊れたんで、仕事できないんで、新しいパソコン買いました。vistaで動かしてます。目盛りはMAX積みました。ダウングレードCD(無料)を注文してみました。慣れません。やっぱMacが素敵です、でも仕事優先です。一応レストアも試みます。よしなに。

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

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