Am7♭5

うたかたの日々

One two three four five six seven  All good children go to Heaven

 JAZZギターにアプローチしだして約半年ほど経とうとしているが、今だスイングしきれないギターにやきもきしながらも、これまでの、大袈裟に言うと人生の中で初めて主体的に打ち込む事ができるものと出会えた事にこっそりと喜びを感じている。さかのぼる事20年も前に初めてギター握った時にもちろん最初の感動があったのだが、その時はあまりにも無知でそして粗野で乱暴であったため、譜面を読むより爆音を出すことに快感を覚え、あまりに肉体的に音楽を捉え理論をなおざりにしてきた。(コードとペンタトニックスケールぐらいは知っていたが)ま、それはそれで良しとしているのだが。そして回り回って20年、長い遠回りをしてきたが、それでも今音楽理論を前に楽器と知性の格闘を戦える事は僕の些細な人生の中では喜びであり新たな感動なのである。

 JAZZ=理論というわけではけしてないのだが、JAZZは理論なしでは僕のような凡人の耳の人間にはその真髄に到底アプローチする事の出来ない音楽である。それはもちろんロックやPOPSでも同じなのであるが。。でもロックやPOPSはある程度の段階までは肉体的に楽しむ事ができるポイントがある。聴くのもそうなのだが演奏するにも極端な話コード1っ、いやコードとか知らなくても楽しめるのだ。エレキギタージャーーンと鳴らすだけでロックンロールなのだ。そういう風な仕掛の点では非常に優れた音楽的アプローチとも言えるし、人類の最高の発見なのだ。で、jazzなのだが、「JAZZだってブルーズを基調に拡張した音楽だから理論無しで楽しむ事は可能なはず」と反論もあるかもしれない確かにそれはyesだけど。JAZZの場合聴く事を楽しむのと演奏を楽しむ事の間には大きな隔たりがある。そう、聴く事に関してはロック同様理論的解釈はほぼ0で良いと思うのだが、演奏するにはJAZZの場合その響きを楽しむのが前提となっている。で問題なのは、その響きが人間が普通に音階表現出来ない事。歌ったりしても音が取れない(少なくとも僕は取れない)だから音を出さなくてはいけない時点で最低限の流儀の習得は必要なのだ。(ギターだと音出すのも難しかったらするよね初心者の人には)この辺がロックとは大きく違う。でもまあ、流儀を憶えなければならないなんて、なんと不自由な、と思ったりするのだが。ロックだって一定の表現を越えようとすると、とたんに制約や流儀が現れるのでその辺は一緒かなんて思うのだが。ま、そんな事はどうでも良くなによりも制約から解放という楽しみが生まれてくるわけだし。(今の僕はガンジガラメですが。。。)

 先ほどから理論理論とうるさいのですが。当たり前だが理論を知らないとJAZZもロックも楽しめないというわけではない。不明瞭に轟音のギター聴いただけで感動したり。美的に調和されたコード進行を無意識に浴びたり。ファンキーなビート聴いて踊ってみたり。音楽の楽しみは当然幅広いし人それぞれだ。でも僕が言いたいのはそこに更に理論を知る事によってその楽しみが強化される可能性があるのではないかと言う事である。最近、音楽の中に内在すると良いと思う理想的なエッセンスは当たり前の事なのだが「肉体的かつ知性的である事」かもしれないと強く思うようになってきた。僕は長い間、なぜ「音楽に感動したりするのか?」「なぜ同じような感動を求めて新しい音楽を聴くのか?」という解けない疑問を考え続けている。もちろん色々な要素はあるのだが、特に最近思うのが良い音楽(好みの音楽)というものは肉体性と知性のバランスが優れている。肉体性は直感的に好きと思えるものだが知性は受け手のスキルを要する。スキルは経験と理論であり、直感的な感情に訴える響きを時間をかけて判断する事を可能にする。掴み取れない音を掴む為に。。愚かな挑戦かもしれない。だからこそ今その知の部分をもっと深め、探求するために音楽理論と向き合ったのかもしれない。理論を知ればしるほど何気なく引っかかっていたフレーズの成り立ちや、どうしてその和音を選択したのか?とか知る事ができる。そしてコンポーザーが選択したあらゆる選択を知の集積として理論的に把握する事ができるかもしれない。そしてそれらを知ればその作者の偉大さを感じる事ができるし、曲の素晴らしさをより深く知ることができるのでは無いかと仮説を立てている。でもその逆も有り得るのかもしれないのだが。。今日はこの辺で。そしてまたこの考えも変わるのかもしれないなーと思いつつ。果てしなき探求の途中なのです。そして理論を超える英知なんてものは沢山あるんだよなーと。。

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ 良い子はみんな天国に行くんだよ!

You Never Give Me Your Money/The Beatles、この曲アビーロードのB面メドレーの一曲目。なんとも不可思議な歌詞でちょっと地味な曲なんだが。このポールマッカートニーの後半のベースは理論云々ではなくかっこいい。
ビートルズ - Wikipedia